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Accessible Code®(アクセシブルコード)は、日本語を読むことが難しい外国の方、ディスレクシアの方、視覚障害をお持ちの方々が、スマートフォンで読み取って、外国語や音声で情報を取得できるように作られた2次元コードです。通常は、商品のパッケージに印刷してご利用頂くことで、各メーカーから世界中の消費者に対して、障害等による格差の無い情報提供を可能にします。(特許・及び商標を取得済)

アクセシブルコードは、オープン規格であるQRコードを利用しています。その為、消費者が専用のアプリを使う必要が無く、世界中の端末に既にインストールされている汎用的なQRコードリーダーで読込み、音声再生して頂く事が可能です。全盲の人でも何故スマートフォンが使えるのか? どうやってコードを読取るのかについては、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共同で実施したプレスリリースもご参照下さい。


アクセシブルコードの特徴

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多様な消費者への包括的な情報提供が可能に

アクセシブルコードは、商品パッケージ(包装資材)に印刷してご利用頂くことで、その商品の原材料、用法・用量などを幅広い消費者の方々へお伝え頂けます。システムのバックエンドには、QR Translatorの技術を利用している為、読み取った後の情報を、自動的に多言語化・音声化することが可能で、日本語を読めない外国の方、ディスレクシアの方、視覚障害をお持ちの方でもスマートフォンを通じて主体的に情報取得ができます。
また、オープン規格であるQRコードを利用している為、消費者は専用のアプリをダウンロードする必要が無く、世界中に普及している各種の汎用的なQRコードリーダーアプリで読込み、音声再生して頂く事が可能です。

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スペース課題を解決

販売されている食品や医薬品のパッケージには、通常、外国語で詳細を記載するスペースまでは確保されていません。また、点字についても、例えばアルファベットで10文字の情報を表す場合で50mm以上の幅が必要となるため、原材料等を含めた詳細をパッケージ上で伝えることは物理的に困難です。アクセシブルコードは、商品包装のわずかなスペース(16mm四方)にひとつのQRコードを設置するだけで、視覚障害の有無に関わらず、世界中の消費者に商品情報を届けることが可能になります。(別途、多言語での説明書を内包する必要もありません。)また、一度発行したQRコードは、状況に応じてコンテンツ内容の更新が可能になっており、緊急時には、リコール情報などへの差替えも可能となります。

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消費者データの分析が可能

消費者がアクセシブルコードを読み込むことで、その商品情報が、世界のどこで何語によって取得されたのかを管理画面上から確認し、そのデータをCSV形式でダウンロードする事が可能です。これまでのPOSデータでは、店頭での購入時点までしかその情報が追跡出来ませんでしたが、国内で販売された商品でも、実際は海外で消費されるというケースも増えています。アクセシブルコードをご利用頂くと、世界全体でリアルな消費地のデータを掴んで頂くことが可能になります。(読取り位置のデータは、個人情報に配慮して、意図的に百メートル程度の誤差≒曖昧さが生じる取得方法を採用しています。)世界地図にアクセス元のピンが表示されている図。地域拡大地図にアクセス元のピンが表示されている図。アクセス言語の割合を表す円グラフ。ビュー、ユーザー数の日次折れ線グラフ。

アクセシブルコードの導入

実証実験から得られた視覚障がい者の声

アクセシブルコードは、3年以上に渡る視覚障碍者支援団体との取組みの中で、現場のニーズを詳細にヒアリングすることによって誕生しました。
視覚障害をお持ちの方々にとって、日常生活における最も大きなバリアの一つが、食品や医薬品など実際に口にするものの情報を自分自身で取得するのが難しい事です。(以下は、視覚障碍者100名への複数回答によるアンケート)

こういうものにコードがついていて欲しい、情報が知りたい 食料品などの種類 50名 食品の賞味期限 35名 飲料の種類(アルコールや糖分の有無など) 22名 食品の産地や原材料名 19名 薬の情報(処方など) 17名 服の情報(色・素材・洗濯方法)16名 洗剤などの種類 14名 受取り郵便物(宅配便など)12名 インスタントラーメンの食べ方 12名 列車やバスの時刻表 9名 飲食店のメニュー 8名 電化製品の説明書 7名 役所からの書類 6名 音楽CDの種類 5名

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業化支援と倫理審査の承認を受けて実施された実証試験について、その他の具体的な内容については、こちらの抜粋レポートをご参照下さい。

 

アクセシブルコードの仕様

商品パッケージ側の仕様

印刷面(包装資材)の仕様については、コードがある位置を触覚によって明示する事が必要です。その際、以下の2つのいずれかの方法を取ります。
アクセシブルコードの印刷面

  • ・コードの4隅に、直径約1mmの点字上の突起(点字のJIS規格と同じ仕様)を使用する。
  • ・コードを囲む4辺をデボス(凹)加工してその存在を明示する。

コードの位置を触覚によって認知させる方法は、その他にもシール貼付によるものや、全体をエンボス(凸)加工する方法もありますが、流通上の問題と、既存のパッケージデザインで見られる触覚認知との混同を避けるために、上記の仕様を取っています。

また、パッケージ表面に印刷されるQRコードについては、以下の仕様を定めています。

  • ・大きさは一辺10mm以上で、余白を入れた印刷幅を16mm(±1mm)とする。
  • ・コードの1辺を29セル以内とする。
  • ・誤認識を防ぐため、商品バーコードと同じ面への印刷を避ける。

アクセシブルコードの仕様

色弱等の弱視者にとっても、QRコードは白黒のマトリックスである為、その存在が認識しやすいという利点があります。

コードを読み取って表示される画面の仕様

QRコードを読み取って表示される画面の仕様については、以下の基準を定めています。

  • ・音声リーダーでの操作が容易になるように、ウェブアクセシビリティの国際規格(ISO/IEC 40500:2012)に準拠していること
  • ・英語とローカル言語を含む2言語以上に対応していること
  • ・ディスレクシアの方にも優しい音声機能を多言語で有していること

アクセシブルコードの導入にあたっては、上記の仕様を満たすシステム全体をワンストップでご提供します。

 

採用事例

アクセシブルコードについては、2020年6月に、シオノギヘルスケア株式会社様より発売のOTC医薬品、新セデス錠で初めて採用され、情報のバリアフリー化を実現するユニバーサル化対応パッケージのマイルストーンとなりました。(当時のプレスリリースはこちら)(その後、ジャパンパッケージングコンペティションの経済産業省製造産業局長賞やグッドデザイン賞を受賞)

視覚障害を持つ当事者からの医薬品情報に対するバリアフリー化の要望は従来より高く、パッケージにアクセシブルコードを導入したことで、当事者の方々が第三者を介さずに主体的に情報取得することが可能になりました。

また、対応言語は7言語(日、英語、韓国語、簡体字、繁体字、ベトナム語、ポルトガル語)となっているため、訪日外国人だけではなく、近年増加傾向にある在日外国人の中で日本語の読めない方々にとっても言語による障壁が少なくなりました。

シオノギヘルスケア様では、新セデス錠だけではなく現在様々な製品へのアクセシブルコード導入を進めて頂いており、今後も拡大が見込まれる予定です。

導入製品名
  • ・新セデス錠
  • ・セデスハイG
  • ・シナールLホワイトエクシア
  • ・パイロンPL顆粒
  • ・ベリチーム酵素
  • ・リンデロン軟膏
  • ・メジコンせき止め錠 など

 

参考情報

 

導入プロセス

アクセシブルコードの導入は、商品パッケージのデザイン改変に合わせて実施頂く必要があります。通常は、下記のようなプロセスで導入を進めます。

1. 導入製品の種類や年間販売数量(予定)のご相談
2. お見積書の提出(弊社)
3. 合意・契約
4. アクセシブルコードの画像データの提供(弊社から導入メーカー様へ)
5. 商品情報データのご提供(導入メーカー様から弊社へ)
6. 商品情報の翻訳とシステムへの組入れ。音声データ化と調整。(弊社)
7. (上記と並行して)商品パッケージサンプルの完成。
8. パッケージサンプルの読取りテスト(障害者支援NPO)
9. コード読取り後表示画面の最終確認(導入メーカー様)
10. 商品流通の開始
11. 専用画面にログインして統計データ等のご確認(導入メーカー様)

 

導入費用

アクセシブルコードの利用料は、年間で販売される製品個数に応じて異なります。ミニマムの利用料は、18,000円/年(年間の商品販売数が1万個以下の場合)で、販売個数と共に増加しますが、1商品あたりの単価は漸減します(例: 年間販売数が10万個の場合、1商品あたり0.99円)。アクセシブルコードの利用料には、以下のサービス機能が全て含まれます。

  • ・コードを読取ったスマートフォンの設定言語に応じた情報表示機能
  • ・各言語での音声合成機能
  • ・アクセス情報のビジュアル化機能、及びCSVダウンロード機能。
  • ・緊急時の画面差替え機能、及びリダイレクト機能

その他、導入にかかる費用としては、商品情報の翻訳・音声データ作成費用(初回のみ)、パッケージデザイン変更費用(メーカー様負担)などが必要となります。

 

事業アドバイザー

アクセシブルコードの事業を推進するにあたっては、当事者目線を重要視しつつ、以下の方々から各種のアドバイスを頂いています。

株式会社ラビット 代表取締役 荒川 明宏

株式会社ラビット  代表取締役 荒川 明宏

1966年東京都生まれ。9歳の時に網膜剥離で失明。2008年に初代の盲導犬クォーツと、2017年に2代目のグミと歩き始める。視覚障害による情報格差の解消にITが果たす役割に早くから着目し、現在、視覚障がい者のIT利用に必要な知識・経験とサポート技術を提供するコンサルティング会社を経営。視覚障がい者向けサービスに特化した国内最大の専門展示会である「サイトワールド」を主催する他、携帯電話会社が公式に提供している視覚障がい者向けスマートフォン利用ガイドの開発にも携わっている。社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会常務理事。現在の盲導犬はカラちゃん。

NPO法人神戸ライトハウス 理事長 和田 香

NPO法人神戸ライトハウス  理事長 和田 香

音楽大学卒業後、演奏活動中、腰痛の為に前理事長が経営する治療院に顧客として来店。
前理事長からの強い勧めにより、平成20年神戸ライトハウス入社。平成24年の継続支援B事業所の立ち上げに参加。日々の利用者との関わりから、福祉への想いが強まり、平成30年には介護福祉士を取得、令和3年3月に中部学院大学人間福祉学部を卒業、社会福祉士と精神保健福祉士の国家免許を取得。また音楽療法士の資格も取得し、近隣の放課後等児童デイサービスで音楽療法を行う。

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